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ご挨拶
はじめまして、呑もかな通信運営部です。お酒等にまつわる記事をこれから更新していきます。少しでも興味をもって頂ければ嬉しいです。よろしくお願いいたします! 栄えある第一回は、ビールに関する記事です。
「ラガービール」と「エールビール」という単語はよく耳にしますが、その違いをご存知でしょうか。そこで、今回はこの2種類の違いについて調べていこうと思います。ラガーとエールは、ビールの製造方法の違いです。ビール造りの過程における「発酵方法」の違いで分類されています。では、「発酵方法」にどのような違いがあるのか、「ラガー」と「エール」それぞれどんな特徴があるのか、以下で具体的に見ていきたいと思います。
ビール造り―発酵について―
①仕込み ②発酵 ③熟成 ④ろ過・熱処理
上記が簡単なビール造りの4つの過程です。「ラガー」と「エール」の違いを知るために、まずおさえておきたいのはビール造りにおいて非常に重要な工程である発酵とは何かです。「発酵」とは、酵母菌などの微生物が糖質をアルコールと炭酸ガスに分解する事です。それでは、これを踏まえた上で二つの違いを見ていきます。
ラガーの発酵方法
下面発酵
ラガーは「下面発酵」で造られています。「下面発酵」とは低温で長い期間をかけ発酵させたことを指します。その際、酵母が麦汁の下面へ沈んでいくので「下面発酵」と呼ばれています。特徴としては、低温で発酵させるので雑菌があまり繁殖せず常に品質を一定に保ったまま造ることが出来ます。そのため、大量生産するビールにはもってこいの方法です。
歴史
「ラガー」の原型は15世紀頃のドイツのバイエルン地方で誕生したと言われています。その当時、「ラガービール」の製造は「エール」とは違い、軟水では活動しない酵母をつかっていたため腐敗を避けるために暑い夏を避け冬に造っていました。しかし、寒すぎると発酵がなかなか進まないことが悩みのタネでした。そんな中、15世紀頃になり軟水を使い、低い温度でも発酵できる例が見つかりました。その方法とは、秋に仕込んだビールをなんと氷とともに洞窟で春まで貯蔵するという方法でした!
そして、めでたくその方法が確立されてラガーが誕生し、ドイツ語で「貯蔵する」を意味するLAGERN(ラーゲルン)から「ラガー」と名付けられました。そして、19世紀後半に低温殺菌法の発見や冷蔵する技術の発展により、出荷後でも長く保存ができるようになってラガーは世界各地に広まっていきました。
エールの発酵方法
上面発酵
一方、エールは「上面発酵」でで造られています。「上面発酵」はやや高温であまり時間をかけないで発酵させます。こちらの場合、酵母が麦汁の上に浮き上がるため「上面発酵」と呼ばれています。特徴として、この「上面発酵」は歴史ある古い造り方で、大量生産にはあまり向いていませんが、味わいの深さと飲みごたえがあって根強い人気があり沢山の種類が造られています。
歴史
「エール」の歴史は上記に述べた通り歴史が古く下面発酵が登場する前から大部分のビールは上面発酵で造られていました。「エール」という名はイギリスが発祥ですが、元々はビールとは別の物でした。硬水でも活動する酵母にホップを加えたものはビール、ハーブを加えたものをエールと別々にされていました。その後、エールにもホップを使う造り手が増えて、ビールなのかエールなのかが曖昧になった結果エールというビールとして世界各地で飲まれるようになりました。
自然発酵
発酵には、培養をしていない自然の酵母を使用した自然発酵と言う造り方もあります。しかし、その酵母を使用する手間があるので、今はあまり多く造ってはいないみたいですが、この日本でも自然発酵によって造られたビールもあります!
上記で、「ラガー」と「エール」の製造工程の違いと、特徴や歴史を見てきました。「ラガー」の発明により、大量生産が可能になり、今では「ラガー」が主流になったことがわかりました。しかし、「エール」は今でも造られています。そこには、味わいの違いがあるからです。では、この2種類、それぞれどんな魅力があるのでしょうか。続いて、見ていきたいと思います。
ラガーの魅力
特徴
「ラガー」は日本で昔から親しまれてきたビールで、香りが穏やかで雑味がなくクリアでスッキリとしたのど越しの良さや、苦みの強さから淡麗辛口と表現されどんな料理にも合わせやすく人気があります。実は大手メーカーのビールは、ほとんどラガーです。私たちには飲み慣れているかもしれません。
おすすめの飲み方
おすすめの飲み方としては、5℃前後にしっかりと冷やすとより味わいがクリアになり、のど越しがよくなります。料理の香りを損なう可能性が少ないので香味野菜を沢山使った料理や香辛料を使った料理、味の濃い料理にも合い、グイッ! と飲むとより一層ビールも料理も美味しく感じられますよ!
エールの魅力
特徴
「エール」はアルコール度数が低く、香ばしい香り、まろやか、フルーティーでまるでワインを思わせるかのような香り(発酵の際にエステルという香り成分が生まれるため)と味わいから芳醇旨口と表現されています。
おすすめの飲み方
おすすめの飲み方は8℃から13℃なのですが初めから常温で造られているため、ぬるくなってしまっても香りや味わいが損なわれることがありません。なかには冷やさずに常温で飲むことを前提に造られているものもあります。チーズなどのおつまみに合わせてゆっくり、じっくりと味わいながら飲むのがおすすめです。
まとめ
以上のことから、「ラガー」と「エール」は製造方法の違いから味わいにも明確な違いがあることがわかりました。ビールの歴史を調べると新たな発見がありますね。違いを知ると、それぞれどんなビールなのかが気になり飲んでみたくなりますよね! 是非、飲んで違いを知ってより良いビールライフを楽しみましょう!