こんにちは、吞もかな通信運営部です。ストレートやロックで飲むこともでき、チューハイでは割りものにもなる焼酎。低カロリー・糖分ゼロ・プリン体ゼロであることも知られており、健康を気にする方にも人気があります。第7回目はそんな焼酎についてお伝えしていきます。
目次
はじめに
最近、健康面でも注目を浴びている焼酎。実は焼酎と一言にいっても、私たちが飲んでいる焼酎は乙類焼酎と甲類焼酎に大きく二分されることをご存知ですか。それぞれにどのような違いがあるのか、今回はご紹介していきます。まず、簡単に乙類焼酎と甲類焼酎の違いを見る前に、焼酎とはどんなお酒か見ていきます。
焼酎とは
蒸留酒
焼酎とは、日本酒やワイン(醸造酒)とは異なる「蒸留酒」です。「蒸留酒」とは、簡単に言えば醸造酒を水とアルコールに分けることです。蒸留とは、水とアルコールの沸点の差(水の沸点100℃、アルコールの沸点78.3℃)を利用して、アルコールだけ蒸発させアルコール度数を高めることです。蒸発させた蒸気を再び液体に戻すことで、アルコール度数の高い液体ができます。
焼酎の原料は米麹や麦麹をベースに、糖質を目的とした穀物が色々使用されます。一般的に多く使われるのは大麦ですが、他にも米・芋・トウモロコシ・そば・黒糖、意外な原料として野菜・豆類があります。しかし、法律によって認められない原料もあります。
乙類焼酎
アルコール含有物を単式蒸留器で蒸留し、水でアルコール度数を45度未満に割ったものです。製法上、一度しか蒸留しないです。原料の風味が色濃く残るため、独特な味わいがあります。風味を楽しむために、ストレートやロックで飲みます。
甲類焼酎
アルコール含有物を連続式蒸留器で蒸留したものを、水でアルコール度数36度未満に薄めたものです。連続して蒸留することによって、アルコール以外の成分を効率よく、完全に除去でき、純度の高いアルコールを抽出できるます。無味無臭に近く、ピュアでクリアな味。酎ハイやサワーなどの割りものに使われることが多いです。
蒸留の回数によって、アルコール度数・味わいも変わってくるということですね。また、甲類と乙類をブレンドした甲乙混和焼酎があります。では、次に詳しい蒸留方法を見ていきます。
蒸留方法
乙類焼酎と、甲類焼酎の違いは焼酎を蒸留する際の方式によります。乙類焼酎は単式蒸留で、甲類焼酎は連続式蒸留で蒸留されます。
単式蒸留
昔ながらの伝統的な方法でその名の通り原料となる醪を一度の投入につき、一度しか蒸留を行いません。
連続式蒸留
明治時代に英国から導入された比較的新しい方法です。連続式はもともとはウィスキー造りなどに利用された方法で、醪を連続して投入しながら蒸留を行います。
1949年の酒税法によって上記の区分がされています。また、「甲」「乙」とついていると甲類の方が乙類より優れていると思われがちですが、品質的にどちらが優れている、劣っているということはありません。ではなぜ、昔ながらの製法を採用している焼酎が乙類と名付けられたのでしょうか。それは、生産量の違いにありました。生産量に限りがある単式よりも、大量生産が可能な連続式の焼酎の方が税収的に国に利益があったのです。そのため、連続式の焼酎を「甲類焼酎」と名付けられました。
本格焼酎
乙類焼酎・甲類焼酎と酒税法によって分類がなされたわけですが、焼酎をよく知らなければどうしても乙類が劣っているようなイメージを持ってしまいます。伝統の製法を受け継ぎ、飲み継がれてきたプライドを持つ乙類焼酎の生産者たちが、「乙類」という名前に黙っていませんでした。そこで、乙類のイメージを消し、甲類焼酎との差別化を図るために「本格焼酎」という名前を生み出しました。実は本格焼酎=乙類焼酎ではありません。本格焼酎を名乗るためには以下の条件をクリアする必要があります。
①単式蒸留式であること
②「米や麦などの穀類」「芋類」「清酒粕」「黒糖」の4品目、または国税庁長官が定める49品目の原料と麹を使用すること
③水以外の添加物を一切使用しないこと
3つの条件を満たして初めて「本格焼酎」と名乗る事ができるということです。生産者の方々がプライドを持って、焼酎を作っていることが伺えますね。名前の重要さが分かるエピソードでした。
まとめ
今回は、酎ハイなどで気軽に飲んでいる焼酎についてご紹介しました。焼酎にも色々な区分があり、それぞれに向いている飲み方があったのですね。本格焼酎も是非飲んでみたいと思います!