こんにちは、吞もかな通信運営部です。吞もかな通信第3回目は、日本酒です。まだまだ寒いので、熱燗について深掘りしてみました。
目次
はじめに
日本酒は、冷酒・常温と様々な温度で楽しめるお酒です。特に寒い冬の間は、身体が温まる熱燗を飲まれるという方も多いのではないでしょうか。そんな冬の風物詩とも言える熱燗ですが、一口に熱燗と言っても実は様々な種類があることをご存じですか。温かい日本酒=熱燗だと思われがちですが、実は温度によって呼び方が異なるのです。日本酒は、温める温度によって名前が変わり、味わいも変化します。今回は、そんな熱燗の温度に関して調べてみました。
熱燗
熱燗の良さ
日本酒は、少し温めることによって香りに華やかさが加わり、飲み口もまろやかに変化し、うまみがふくらみ、甘みが広がります。温度によって、同じ日本酒でも香りと味わいがガラッと変化するのです。また、熱燗とよく言われますが、温かい日本酒=熱燗というわけではありません。熱燗は、以下で詳しく説明しますが、50℃程度に温められた日本酒を指します。あまり聞き馴染みはありませんが、温かい日本酒全般は「燗酒(かんざけ)」と呼ばれます。
熱燗に向いているお酒
では、熱燗に向いているお酒はどのようなものなのでしょうか。
①香りが控えめで、旨味が濃厚なもの
②程よいアルコール度数(15度付近)のもの
①の日本酒は温めることによって、香りや旨味が引き出されます。日本酒を温めることによって、水分が蒸発しアルコール度数が上がるため、もとからあまり高いアルコール度数のものはおすすめしません。
また、熱燗には純米酒や本醸造酒が向いています。米や麹の旨味、味わいがダイレクトに感じられる純米酒は、より魅力を発揮します。辛口の味わいが特徴の本醸造酒は、お燗で楽しむ場合は45度以上の温度帯がおすすめです。温度を上げることでキレの良さが増し、よりすっきりとした辛口に仕上がります。
日本酒の温度と名前
5℃刻みで以下のような名前がついています。
飛び切り燗 55℃以上
熱燗 50℃前後
上燗 45℃前後
ぬる燗 40℃前後
人肌燗 35℃前後
日向燗 30℃前後
※燗酒はここまで
涼冷え 15℃前後
花冷え 10℃前後
雪冷え 5℃前後
熱燗は50℃前後のことを指し、燗酒の中では温度が高めのお酒であることがわかりました。お店で熱燗を注文した場合、このくらいの温度まで温めてくれているということですね。また、冷酒も名前がついており、日本の情緒を感じますね。
燗酒の作り方
1⃣お鍋で湯煎する場合
①湯煎でお燗します。
お鍋にお湯を沸かし、沸騰する手前で弱火にします。
②お鍋に徳利を入れます。
ここで、徳利自体を温めるとお酒が均一に温まります。
③徳利に日本酒を注ぎ、お好みの温度まで温めます。
日本酒は温めと膨張するので、徳利の際まで入れないようにしましょう。首辺りまでにしておくと、お燗が終っても零れません。
2⃣電子レンジで温める場合
①徳利を2本用意します。
②片方に日本酒を入れ、片方は空のまま電子レンジで温めます。
③温め終ったら、日本酒を空の徳利に移します。
お手軽に燗酒を楽しみたい方は、電子レンジで温めることもできます。ゆっくりと温めた方が味はまろやかになりますが、お家で気軽に飲みたい場合はこの方法もよいと思います。電子レンジで温めると、温めムラができてしまう可能性がありますので、それを防ぐために徳利2本で、お酒を移し変える方法は有効です。
熱燗小話
尾崎紅葉(1868-1903)の弟子である泉鏡花(1873-1939)は、文壇一の潔癖症であったと言われています。食べる物は全て火を通し、手で食べる時は掴んだ部分は食べないという徹底ぶりだったそう。飲み物も同様で、日本茶も日本酒も煮たてて飲んでいたとのことです。アルコール分が飛ぶまで煮たてた日本酒を「泉燗」と飲み仲間は呼んでいたそう。そこまでは温めないで、燗酒を楽しみたいですね。
まとめ
今回は、燗酒についてみてきました。燗酒とは日本酒を温めるだけかと思っていましたが、知れば知るほど奥が深いです。春の到来を感じつつも、夜はまだまだ寒いので、普段は冷酒しか飲まない方も試しにお家で燗酒に挑戦してみてはいかがでしょうか。いつもの日本酒がまた違う顔を見せてくれるかもしれません。