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日本酒の定義
日本酒とは、原材料として国内産米のみを使用し、日本国内で製造された清酒を指します。海外産米を使用したり、海外で製造されたものは日本酒とは定義されません。この定義は、国税庁によって定められており、法的にも規定されています。
特定名称酒と普通酒
日本酒は、原材料、製造方法、品質などの要件を満たしている場合、「特定名称酒」として認められます。特定名称酒は、その名の通り、特定の名称が定められた品種であり、精米歩合などの要件によって分類されます。例えば、「純米酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」などがあります。
一方、「普通酒」とは、特定名称酒以外の酒を指します。原材料、製造方法、品質について、特に規定がなく、製造の自由度が高いため、価格帯や味わいにも幅があります。ただし、日本酒としての基本的な要件である、「原材米に国内産米を使用する」「日本国内で製造される」という点は変わらず、これらの条件を満たしていることが前提となります。
特定名称酒と普通酒は、名称や製法によって異なる特性を持っており、それぞれの味わいや楽しみ方があります。また、特定名称酒は、精米歩合や掛米の種類などが厳密に定められており、品質の高さが保証されています。一方、普通酒は、自由度が高い分、個性的な味わいや価格帯が魅力です。どちらを選ぶかは好みによって異なりますが、どちらも日本酒の魅力を堪能できることは間違いありません。
特定名称酒の8つの分類
特定名称酒とは、国税庁が定めた製造方法や品質の基準を満たした酒のうち、特定の呼称が許可された酒のことを指します。特定名称酒は、酒造業者が許可を受けた製造方法に従い、厳格な品質管理のもとで醸造されます。
特定名称酒には様々な種類がありますが、代表的な種類をいくつか挙げると、純米大吟醸酒、大吟醸酒、純米吟醸酒、吟醸酒、特別純米酒、特別本醸造酒、本醸造酒、純米酒などがあります。これらの酒には、それぞれに独自の製法や特徴があり、好みに合わせて選ぶことができます。
特に、純米大吟醸酒や大吟醸酒は、酒米を極めて精米したもので、非常に高い品質が求められます。また、吟醸酒や純米吟醸酒は、麹の掛け方や醸造過程などが細かく制御されており、芳醇な香りや味わいが特徴です。
特定名称酒は、日本酒の中でも最高峰の品質を誇るものが多く、その製法や味わいから世界中で高く評価されています。
特定名称酒 | 精米歩合 | 製法品質の要件 |
---|---|---|
純米酒 | 70%以下 | 原料米を米と麹のみで使用し、アルコール分を加えずに仕込む |
特別純米酒 | 60%以下 | 純米酒と同じ |
純米吟醸酒 | 60%以下 | 麹の掛け米について、特別精米を行う |
特別本醸造酒 | 70%以下 | 本醸造酒と同じ |
本醸造酒 | 70%以下 | 原料米を米と麹のみで使用し、アルコール分を加えずに仕込む |
吟醸酒 | 60%以下 | 麹の掛け米について、特別精米を行う |
大吟醸酒 | 50%以下 | 麹の掛け米について、さらに特別精米を行い、醸造過程での温度管理に特に注意する |
特別酒 | 60%以下 | 原料米の種類や精米歩合、製造過程などにおいて特に優れたもの |
まだまだある分類
先程紹介した特定名称酒以外にも、多くの日本酒が存在します。ここでは、その中でも代表的な分類を紹介します。
酒の種類 | 特徴 |
---|---|
生酒 | もろみを搾っただけの生まれたままの日本酒。純米生、吟醸生などがある。 |
生貯蔵酒 | 搾りたての日本酒を低温で貯蔵し、出荷時に一度だけ加熱。生の風味が残る。 |
生詰酒 | 火入れ貯蔵した酒をビン詰め出荷。 |
生一本 | 自醸酒で純米酒。 |
原酒 | 水を加えていないためアルコール分が高く、18~20度。濃醇な風味。 |
おり酒 | 醪を布でこしても微粒子が混ざり、沈殿する。沈殿物を集めて白く濁ったままの酒。 |
長期貯蔵酒 | 吟醸酒などの長期貯蔵でまろやかになる。2年以上の古酒がある。 |
樽酒 | 樽に詰めた木の香りがする。杉や吉野杉が材料。 |
にごり酒 | 醪を目の粗い布でこしていないため白く濁っている。殺菌せず酵母や酵素が生きているものがある。 |
発泡酒 | 炭酸ガスを吹き込んだお酒。口当たりが良く、アルコール分は低め。 |